About us
“Listen to your music, not to your speakers”
この短い言葉に、フランスの音響ラウドスピーカーとトランスデューサーの製造会社であるFocal-JMLab(フォーカル)の思想が要約されています。
1979年に創業したフォーカルは、現在、フランス国内の2ヶ所に製造拠点を置いています。
ひとつはブルボン-ランシーのキャビネット工場で、最も複雑で、正確な手作業が望ましいカスタムメイドの製品を作成しています。そして、残る、研究開発施 設、製造、及び管理部門のすべてがサンテティエンヌの12,500㎡の敷地内に集約されています。そこでは、共通の目標「絶対的最高級の音」を目指して 220人以上が働いています。
組織は、コンシューマー部門、カーオーディオ部門、プロフェッショナル部門とR&Dセクションに大きく分けられ、3つの部門の要求に R&Dが応える形をとっています。それぞれの部門の要求は自ずと異なるため、フォーカルでは、同じ設計のドライバーユニットを各部門で使いまわ す、といったことは一切ありません。R&Dセクションは、2部隊に分けられ、製品開発チームと、特殊素材や部位など、今世の中に無いものを製造す るための「ツール」を開発するチームで構成されています。
フォーカルは独自の原則に従い、革新的な先駆者としての定評を得てきました。独自の原則とは、開発から製造のプロセスにおいて、素材から製品完成ま で徹頭徹尾自社内で統合的に取り組む姿勢です。これにより、全くのゼロから理想のシステムを生み出す技術と開発力を培い、製造工程において完全な管理を確 実に実施しながら社業を発展させてきました。
フォーカルは、「”W”コンポジット・サンドイッチコーン」や「リバースドーム・ツイーター」「ポリグラス」など20以上の特許を登録しています。これらの独占技術は、音の再現における普遍性、先進性を発揮し、スピーカー開発の歴史に大きな進化をもたらしています。
Technology
“W”コンポジット・サンドイッチコーン
フォーカルSMシリーズのウーファーユニットに採用されているのが、”W”コンポジット・サンドイッチコーンです。コーン素材の理想には、「軽量」、「高 剛性」、「高減衰特性」という3つのキー・パラメータがあります。フォーカルR&Dチームでは、最先端のシュミレーションソフトにより、素材の組 合せを解析し、合成結果の挙動を可視化することで最適かつ最も理想的なバランスを突き止めることを可能にしております。
“W”コンポジット・サンドイッチコーンは、超軽量の構造材コアをガラス繊維シートでサンドイッチしたもので、ガラス組織の非常に長い繊維を驚く程 精密に織り上げたことによる利点を有しています。同じサイズのアラミド繊維やケブラー織物に比較すると、より軽量に仕上がり、しかも高い剛性(約20倍以 上)を実現することができます。また、樹脂とガラスの間の分子結合がアラミド繊維よりも大きいことに注目すべきで、それによってコーンの構造はより強固で 均質なものとなるのです。
軽量かつ高剛性というユニークな特性は、設計者に材質内の信号伝達速度の制御を可能にします。中層部構造材の厚さを変更することにより、“W”コーンの減 衰特性を非常に正確に調整でき、望ましい周波数帯域に応じてコーンの挙動を最適化できます。この結果、“W”コーンはその優れたレスポンスと超低歪によ り、トランスペアレントな音質を獲得するのです。
リバースドーム・ツイーター
リバースドーム・ツイーター – フォーカルの品質証明 – は、たぶん、完璧なトランスデューサーです。
この設計により、高性能、正確、完璧なエネルギー変換を可能にしました。
リバースドーム・ツイーターの特筆すべき利点は、ボイスコイルとドームの間のメカニカル結合の最適化です。ボイスコイルは、ドームの中ほどに固定され、 コーンの表面全体を安定的かつ均一に駆動します。結果として放射されるエネルギーはストレスも歪もなく均一に空気に変換されます。
一般的な凸型ドームの場合、エッジ部分でのみ接合が可能で、柔軟性のある表面はボイスコイルの動きに均一に追従することは不可能で、特に16kHz以上の帯域で位相の反転が起こり、リニアリティを確
保するためには何らかの「補正」が必要となります。
リバースドームは、直接、空気中に最大効率で放散し、非常に正確なサウンドステージを創成します。ドームのレスポンスカーブは、他のどんな凸型ドームより 明確に直線的です。それは、リボン・ツイーターでは得られない、良好な空間分散と非常に広い指向性を提供します。リバースドーム・ツイーターは、ダイナ ミックスにおいても正確な再現力をもち、エンジニアがコンプレッション効果を把握するのに役立ちます。イメージ精度(高さ、幅、奥行き)は極めて優れてお り、各要素の配置を非常に容易にするとともに、後部残響音を正確に再現します。
フォーカルSMシリーズ(Solo6, Twin6)では「ベリリウム」が、CMSシリーズでは、「アルミニウム/マグネシウム合金」がドームの素材として採用されています。
ポリグラス・コーン
フォーカルCMSシリーズのウーファーユニットに採用されているのが、特許技術「ポリグラス」コーンです。
ポリグラスとは、セルロースベースのコーンの上に中空ガラス球の薄層を均一に蒸着したもので、セルロースの高い減衰特性とガラスの剛性を理想的な按配で組 成することによって「軽量」かつ「高合成」、「高減衰特性」を併せ持ったコーンを具現しています。ここでも、フォーカルのR&Dチームのもつ、素 材からの開発力が大きく発揮されています。3つのキー・パラメータをバランスよく実現したウーファーユニットにより、最も微細な細部までも再現できる、タ イトで制御された低音域を提供しています。
CMS Technology
アルミニウム / マグネシウム・リバースドーム・ツィーター
ドームをひっくり返したスタイルのツィーターはFocalブランドのシグネチャー的存在です。Focalのスピーカーシステムは、20年以上このタイプのツィーターデザインを採用しています。
ヴォイスコイルとコーンの最適なカップリング構造がドーム全体の動作を均等化し、濁りの無い伸びやかな高域を再現します。
ストレスを感じさせない音質は、録音やミックス、マスタリングといった長時間にわたる作業に最適です。素材のアルミニウム/マグネシウム合金は、ダンピング性能の高さと高硬度が特長で、インパルス応答は28KHz@-3dBと卓越した特性を持っています。
Focalポリグラス・コーン・ウーファー
ポリグラスという素材はFocal独自のものです。セルロース・パルプコーンにミクロレベルの極小極薄ガラスを加えた素材です。パルプコーンの優れ たダンピング性能はそのままにガラスによる堅牢度強化を実現し、ケブラーよりも硬く、ポリプロピレンに比較して約10倍の強度をもっています。これによ り、ブレイクアップポイントを高い周波数帯に押し上げることができ、守備帯域における高い解像度と精度を保証します。
バイアンプ構成のアクティブシステム:パワー、クォリティ そしてシンプリシティ
Focal R&Dチームは、高品質なスピーカーを駆動するアンプリファイアは、信号経路を極力短くした品位の高いシンプルな回路が最適であると考えていま す。CMSモニタリング・スピーカーは、上位機種と同等のアンプをバイアンプ構成で内蔵しています。ウーファー専用アンプ「TDA7293」は、MOSテ クノロジーを採用し、トランスペアレントかつダイナミクスに富んだサウンドを生み出します。高い出力パワーと超低歪特性が示すパワフルかつ正確な低域は、 ボディサイズからは想像できない量感があります。ツィーター専用アンプ「LM3886」はスルーレート19V/μsという特性をもち、微小情報を明確に再 現、多彩な音色を見事に描き分けます。