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斎藤誠「LA-LA-LU CUSTOM」インタビューレポート!
斎藤誠「LA-LA-LU CUSTOM」インタビューレポート!![]() 斎藤誠オリジナルオーダーギター「LA-LA-LU CUSTOM」インタビューレポート!!
2009年12月18日「京都文化博物館」にて行われたα-STATIONイベント「COOL BEAT in KYOTO 2009」で、使用しているオリジナルオーダーギターについてのお話を伺いました。
-本日使用されているギターですが? 誠さん:これこそが、生まれて初めてマーティンでオーダーメイドしたやつです。最初で最後だと思いますけどね。ははは。 片山:あ、そうなんですか?(笑) 誠さん:いやぁ、だってさ、ハカランダですよ?サイドバックハカランダ。トップがこれ問題でね。トップのアディロンダックスプルース、これがたぶん決め手だったんじゃないかと思うんですよ。音デカイの。たぶんあれのおかげであんなに音がデカく鳴ってくれるんじゃないかなと。 片山:なるほど。 誠さん:うん、だって他の同じようなギター弾いてもあんなデカイ音しないしね。 誠さん:えっとねぇ、どういったものを作るかっていうことはまったく白紙だったから、とりあえずちょっと売り場に行ってこんなやつがいいみたいな話をしようと。で、新大久保のずらーっと並んでるところ行って、一個一個全部弾いて「これがいいや!」って言ったのがローレンスジュバーモデルってやつだったのよ。そのときはそのローレンスジュバーってどんな人か知らなかったんだけどさ、その後2回も共演することになるんですよ。それが、アディロンダックスプルースのトップ。ただ、カッタウェイだったけどね。で、これを基本に作ろうって話になって、それであとはもうそのサイドバックのことだけじゃなくてそれこそそのちょっとおしゃれなアイデアとかも含めて、「これはいい」「これはつまんない」みたいなことをやり、ひとつづつ決めてったの。
-ギターをオーダーできるブランドって他にもあると思うんですが、マーティンを選ばれた決め手というのは? 誠さん:うん、あのー…それはね。マーティンの中でって言われたから(笑) 片山:(笑) 誠さん:いや、っていうかさ。もうね、俺そのころマーティンのツアー始めてたし、もうこの後この1本ギターを作ってそれで周れればいいなって思ってたから。もう他にまったく目はくれなくて。で、そんなにマーティンのこと知らなかったけれども、マーティンの工場に行ってそれでそれを一個づつ先方に伝えて。材とまぁペグとかそういったものの種類を。しかもそれを伝えた人が、直でディックボークだったっていうのが普通はそういうことありえないと思うわけよ。ディックボークっていうのはもう、たとえば相手がエリッククラプトンとかポールサイモンと話をして希望を聞いてシグネーチャーモデルを作るようなそういう上の人だから。でも本人に直でそれを言って、彼からもこっちよりこっちのほうがいいですよみたいなアドバイスも受けつつ決めていったんだよね。
-オーダーするのに何度か工場に足は運ばれたんですか? 誠さん:いや、工場に行ったのは作る前の時で、その後工場に行ったときはとっくに弾き鳴らしてたから。 -その作る過程で何か面白いエピソードとかはありましたか?
誠さん:カワイイ誠さん?!(笑)まぁやっぱりね、この歳になったらカワイイ方がいい! 片山:(笑)まぁ、そこがこだわられた点というか。 誠さん:そうですね。 片山:なるほど。
片山:えー??(爆笑) 誠さん:(笑)今は考えられないけど、うん。しかもPTっていう小振りのやつね。あれ、ものすごい最初の方から使ってたし、あれをわざわざガット用に作り変えてもらったりとかして。だから全く同じルックスのヤツを2本持ってるわけ。その歴史がものすごく長くて。で、なぜそういうふうにマイク取りになったのかっていうのは、色んな流れがあるんだけど、一番決め手となったのは最初のマーチンライブでジェフマルダーと共演したことがあって。その人が、ものすごい小さい音でステージをやっていて。で、ちっちゃいマイクここに置いて演奏してたのね。 片山:はい。 誠さん:そんなことできるんだー…って思って。で、そのジェフマルダーと一緒にセッションをしたんだけど、そのときまだ俺はラインで。で、一緒のセッションのときにものすごい楽器の音量を絞ったのを覚えてるね。10だったのを4とかさ。で、そんなちっちゃい音でライブなんかやったことなかったから、出来ないと思ってたのね。 片山:はい。
誠さん:ところがやり始めたらそれが楽しくなっちゃって。要するにその自分の歌とのバランスも全部ここで決められるわけよ、いちいちPAに言わなくても。その距離とかでね。歌と同じようにギターもマイクとの距離で決めていけるということがわかって。あと、どんなちっちゃい声で歌っても、ギターもちっちゃくすればいいわけだから、どんどん楽になってきて。しかも足元もなんもないし。コードも何もないでしょ?こりゃあいいやって話になって…そっからだね。まぁ、すぐは出来なかったけど、だんだんそれでも快感を覚えてからは知らないうちにライン取りがものすごい大変になってきて、逆に。今まで一番楽だったはずの。 片山:へぇ…。それはでもすごいですね。私自身マイク取りでライブをしたりした経験があって、そのときはマイクが手に当たったりとかして結構大変だった思い出があるのですが。。
誠さん:うん、それは当初ありましたけどね。でも、やっぱりやっていくうちに分かるようになってきて。その距離感みたいなものが。今はだって、ラインでやるときよりも、まぁもうご存知の通り、マイクでやる時のほうが俺スゴイ暴れるの。 片山:ふふふ。
誠さん:ラインのときはそんなに強く弾いてないのに、強く出すぎちゃうんじゃないかとかね。そんなことばっかり考えちゃう、。拾いすぎちゃうから。 片山:なるほどね。まぁこのカスタムの他にも色んなギターをお持ちだと思いますし、それでマイク取りで弾かれることも多いと思いますけど、やっぱりそのギターによって音のノリというか、そういうのは違うと思うのですがこのオーダーのギターに関してはどうですか? 誠さん:まぁ、たまたまマグレだったのかもしれないけど、非常にいいんですよ。非常にいい! 片山:そうなんですね。 誠さん:その非常にいいひとつの理由は、ドレッドノートにしなかったおかげだって俺は思うんだけど。ドレッドノートってやっぱりもう少しふくよかだし、たぶんドレッドノートを俺のやり方でマイクで取ると、きっとPAも困るんじゃないかと。 片山:なるほど、そうですか。 誠さん:もう、大成功って感じですね。だけど、俺あれに一回ピックアップつけたことがあるの知ってる? 片山:あれ?もうないんですか、今。 誠さん:ないない。あー、知ってるよね。ちょうど去年の今頃一回だけつけたんだ。「あれがいいやー」なんつって付けたらさ、全然ダメでさ(笑) 片山:あれー?(笑)
誠さん:あの、何がダメって、要するにね、あれだけいいギターになってくると、何かをそこにくっつけると異物感が出てくるのね。 片山:うーん。。 誠さん:でね、音が小さくなる。要するに必ず当たってるわけじゃない。せっかく全部鳴ってるのに。そこにまぁ面積としてはたいしたことないかも知れないけども、それでトップの振動が押さえられちゃうわけ。多分、だからもうちょっとお手頃なギターにつけたら良いのかもしれない。 片山:うん。 誠さん:うんうん。そんな鳴らないギターにさ。 片山:逆にね。 誠さん:そうそうそうそう。俺が今もう一本持ってるあのカッタウェイのエレアコ状態のやつにもピックアップをつけてあるんだけど、あれも多分取ればもっと全然鳴るんだと思う。 片山:あれ、ちなみに今使われてるたまにテレビとかで… 誠さん:そうそうカッタウェイのヤツね、来週も持っていくよ。片山(敦夫氏)とやるときは多分爆音だからマイク取りはやめてもうラインだけでいこうかと思って。 片山:あー、なるほどね。
誠さん:うんうん。だからその二つを使い分けてるかんじ。バンドのときは、たとえばその、材の鳴りがどうのこうのとか、そんなことはもうどうでもいいわけ。それこそ今俺が使ってるカスタムとは全く逆の考え方で。どれだけバンドの中で自分の音が前に出てくれるか。音色じゃなくてね、はっきり立ってくれるかっていうことなので、そういうふうに割り切って考えてるから、そういう意味では、あのピックアップ付きも非常にうまくいっている。 片山:なるほどね。「使い分け」というところですね。 誠さん:そうです、そうです。もう完全に使い分けですね。
片山:今お話にあがっているカスタムではないほうのモデルも、本日使われているエレガットのモデルもカッタウェイが入っていますが? 誠 さん:そうそう。これはマーティンでリバースツアー周るようになってから頂いたものでしてね。随分当初に。で、その後でつくろうって言ってカスタムを作る ことになったんだけどさ。だから、頂いたものに対して文句は言えないから。「おお、カッタウェイだ…まぁいいや」みたいな感じだったの。 片山:そこで、「あぁ、カッタウェイ使いやすいな」とはならなかったんですか? 誠さん:なりました(笑) 片山:あれ?(笑) 誠さん:あぁ、いいじゃんいいじゃん!って。今はもうバッチシ!(笑) 片山:でも、自分がオリジナルのオーダーをするのとはまた別なんですね? 誠さん:そうだねー。だから、色んなこと考えたけども、多分自分でピックアップもつけないような純粋なアコースティックギターを作るときに、そのギターで上の方でこうやってリード弾かねぇだろうって思ったわけ。だけどカッタウェイのほうはバンドの中で使うし、サザンとかでも使うことがあるし、そういうときは上ガンガン使うわけですよ。リードギターそれからフレーズ。だからどちらかと言うと、自分の中でカスタムの方は弾き語りって考えてるから。弾き語りの方は12フレット使わないですから、はっきり言って。この辺くらいまでで(7フレットあたりを指して) そういう意味で全然必要ないし、えぐる必要ないし。 片山:なるほどね。 誠さん:だからさっき言ったみたいに、参考にしたギターはローレンスジュバーのカッタウェイモデルだったんですよ。でもそれは、やめとうと。 片山:そこだけは譲れないと。
誠さん:うん。だって、アコースティックギターが基本の形としてできあがった頃、たぶん俺が生まれたころかなぁ。その頃になかったものは後付けだなって意識があるから。 片山:なるほど。いや、誠さんとかだとやっぱりカッタウェイ入ってないと弾きにくいんじゃないかなぁとずっと見てて思っていたんですが、そうでもないんですね。 誠さん:いやいや、全然全然。上いかないもん。 ━そういうのを作ってライブをしていて、良かったなと思う瞬間は?
━そのギターを例えるなら何ですか? 誠さん:例えるなら…なぁ。うーん、そうだなぁ。。なんかなぁ、もう、片山ッ! 片山:あはは(笑) 誠さん:うーん…(考え込む)。俺ね、例えようがないんだよね。たとえば、全然車とか興味ないし。まぁ…。。常に使ってるものだからね。あぁ。じゃあたとえばアレですよ。すごく自分の口の形にあった歯ブラシを購入したときの。 片山:あはははは(爆笑) 誠さん:うんうん(笑)もう、自分で何十本も生まれてから何百本も使ってるはずじゃない?歯ブラシってさ。だけど、これだって思ったときにさ。まぁ、歯ブラシはそのうちまた俺は浮気しますけどね、うん。そのくらい自分の身近にあるもんだからさ。家では常に外へ出してて、すぐに手の届くところにあるしさ。歯は 一日に2回しか歯は磨きませんけれども、朝起きたときと寝るとき。でも寝るときはもう念入りに3種類のブラシを使って。 片山:えー!!(驚) 誠さん:時々気が付くと30分してることがある。これは歯によくないんだけど。 なんでそんなにやるかっていうと、ものすごい柔らかいやつを使うの。あんま硬いのでやっちゃダメなんだよ、知ってる? 片山:それは、あの…普通の歯ブラシの形してます? 誠さん:3つあるわけ。ひとつは普通のヤツ。もうひとつは4mmくらいの丸から円錐状に出てるヤツ。それからあとは歯間ブラシ。 片山:へぇ…(驚) 誠さん:だから何だって話じゃないんだけど(笑) 片山:(笑) 誠さん:そのくらい身近だって言いたかったの(笑) 片山:ちょっとその歯ブラシのほうにすごい興味があります… 誠さん:ははは(笑) 片山:え、それ30分するとしても、その鏡の前で30分するんですか? 誠さん:違います(笑)もう、テレビとか見ながらCDとか聞きながら。だから要するにその、歯磨きは付けません。一切。 片山:えっ… 誠さん:ずぅーっとテレビの前とかでやってると時間なんてすぐ経っちゃうんだよね。それも、こうじゃないよ(荒く奥歯をゴシゴシ)、細かくこうね(小さく歯磨き)(笑)。 片山:そうなんですね。。 誠さん:一回若い頃に歯を痛めちゃってね、ここのところを。それからまじめにやるようになった。 片山:あぁ、なるほど。それで歯が痛いとかいう… 誠さん:ん?なになに?? 片山:それで「歯が痛い」という曲ができたりとか。 誠さん:あー(爆笑)それは、それはもうね、ずっと前! 片山:それすごい長い期間やってるなと思ってね(笑) 誠さん:それ89年ですからね。あれね。 片山:そうですよね。すごい若いときからやってるなと思って。いやいや、すいません…ちょっと歯ブラシに興味が(笑) 誠さん:いえいえ。 ━今後ギターを作ろうかなと思っている方に向けて、アドバイスやメッセージをお願いします 誠さん:えーっと、だから何用のギターかって言うことを。とにかく何に使いたいのか、自分はそれを使ってどんなふうなものを奏でたいのかっていうことで大きく方向が変わってくるし、材の選び方も変わってくるし、そこをまず絶対に頭の中を整頓してからオーダーの設計図を描かないと、せっかくこれはすごいお金のかかることだから。失敗する可能性も大きいので。 片山:はい。 誠さん:ただ、そういうことがひとつと。とはいいながら、それをオーダーしているときの気持ちが一番楽しいんだよね。出来上がってきたときはそれはそれで嬉しいんだけど。ああでもない、こうでもないって考えるワクワク感が得られるんだよね。小さい頃にプラモデルを必死で作っていたような世代がちょうど働いてお金をもらえるようになって、特にそういったワクワクした気持ちをを忘れているような大人たちはすごくいいかもしれないです。10代の頃の感覚に戻れるので、うん。とはいえ、さっきもいったようにきちんと計画を練らないと間違ったもの作っちゃう可能性があるから。それだけは気をつけてくださいということと、あとはとにかくそれはオーダーしたからには一生使わないと損だから、見た目にもいいもの。あんまりつまんない出来になると、そう自分が思うとずっとケースの中に入れておくと思う。そういうふうになっちゃうようなギターだと面白くないし。できればしょっちゅう開けて、床の間に飾っておくのでもいいけど、見た目にすごくいい自分の大好きなふうになるようなギターをオーダーするのが一番いいんじゃないかなぁ。とはいえ、メンテナンス的に言えば、ケースに閉まってそれはおくのがいいんですけどね。それは間違いなくいい。あとは、湿度計。 片山:最近、ハードケースの中に湿度計が付いているやつとかもありますよね。 誠さん:いやぁ、それだと見なくなっちゃうから(笑)だから部屋の中用の湿度計を。そんなの安いもんですから。 片山:ほう…じゃあもう当然誠さんの部屋にも?
片山:そうですね。 誠さん:そこが一番気をつけなきゃいけないとこだよね。むしろ、梅雨の時期とかまだいいんだよ。これからの方が厳しい。湿ってたほうがまだいい。音は悪いけど(笑) 片山:あはは、確かに(笑) 誠さん:俺一回あの、前も言ったかもしんないけど、ツアーで四国の高松の次の場所が北海道旭川だったわけ。で、旭川にトランポして開けてみたら全部クラック入ってたからね。 片山: …えぇっ!!(驚) 誠さん:全、全、全ギター!俺のだけじゃなくてオグちゃん(山弦:小倉博和氏)なんかも、全部にぴきぃーッて入ってた。真冬、旭川という湿度が極端に低い所に移動して、でっかいトレーラーから順番におろしていくわけよ。ケースを開けながらオグちゃんと二人でシクシク泣いたのさ。 片山:ははは(笑)いやいや、笑ったらダメですけど。 誠さん:それもヴィンテージの感じのいい入り方じゃなくて、ピピピピピッっていうヤな感じの。 片山:…残念(笑) 誠さん:だから湿気よりも本当に乾燥が怖いなぁと思って。 片山:あぁ、怖いですね…。なるほど、湿度計を買ってくださいということですね。 誠さん:はい。湿度計は大事です! 片山:分かりました、ありがとうございました。 誠さん:はい。細かいところまで、ありがとうございます(笑) 片山:どうもありがとうございました。
なお、今回取材のモデルはアーティスト特別スペックを含んだ仕様となっております。ヘッド部メイプルサンドバインディング仕様、サイド&バックハカランダ仕様に関しましては一般オーダーは承っておりませんので、ご了承下さい。 「自分もオリジナルでオーダーをしてみたい!」そう思ったアナタ、ワタナベ楽器店ではオリジナルオーダーの見積りを無料で承っております。詳細は下記のバナーをクリックしてご覧下さい。
お問い合わせ先:honten@watanabe-mi.com 担当:片山
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