Fireface Fireface 802には、12chずつのアナログ入出力が搭載されています。
12ch入力:8つのTRS(バランス)入力が背面パネルに、4つのXLR(Mic/Instプリアンプ搭載)入力が前面パネルに配置されています。
12ch出力:8つのTRS(バランス)出力が背面パネルに、2つの高出力ステレオ・ヘッドフォン端子が前面パネルに配置されています。ヘッドフォン端子はハイ・インピーダンスのヘッドフォンであっても十分な出力を提供します。
音質:従来のRME製品と同様に、Fireface 802は優れたアナログ回路デザインと最新のデジタル変換テクノロジーを組み合わせて、最良の音質を提供します。すべてのTRS/XLRのバランス入出力と2つのステレオ・ヘッドフォン出力は、卓越した低ノイズ、低歪みを実現しています。RMEの製品デザイン哲学として、コンバーターやプリアンプはサウンドを「造り上げる」のではなく、ソース・シグナルを足し引きなしでそのまま再生すること、音源をそのままキャプチャーすることを目指してデザインされています。
最新のA/D、D/Aコンバーターを実装することにより、すべてのI/Oは最高で192kHz、118 dBAのダイナミック・レンジ(プレイバック時)を、ヘッドフォン出力も含めて実現しています。これにより、ヘッドフォンのインピーダンスの高低にかかわらず、高いボリュームでの再生を可能にします。
RME独自のSteady Clockは優れたジッター制御により、外部クロックをソースにした場合でさえ、最先端で最高級のAD/DA変換を保証します。
すべての入出力チャンネルは、一般的なプロフェッショナル・スタジオのリファレンス・レベル:-10dBV/+4dBu/HiGain(それぞれデジタル・フルスケールでは+2dBV/+13dBu/+19dBuに相当)から個別に選択、設定することができます。
すべての出力チャンネルは、ASIO Direct Monitoring(ADM)でご使用いただけます。
プリアンプ:Fireface 802には4つのプリアンプ搭載の入力が用意されており、透明性が高くレイテンシーが非常に低いAD変換を提供します。
Mic/Instプリアンプには、Octamic IIで培われたハイエンド・プリアンプの技術が惜しげもなくつぎ込まれており、クラシック・コンサートのレコーディング等、クリティカルな音質が要求される現場でも対応できる実力を持ちます。シンメトリカルなプリアンプ・デザインにより、極限にまで低く抑えられた歪み率と、優れたS/N比、完全にフラットな周波数特性を実現しています。スタジオでのプロ機器からの音声信号からハイ・インピーダンスの楽器出力まで、あるいは、ダイナミック・マイク、コンデンサー・マイク、リボン・マイクまで、種類を問わずに入力ソースの音声を何も変えずにそのままキャプチャーします。
フロント・パネルにはゲイン調整用のノブが用意されており、+6dBから+60dBまでの54dBのゲイン調整が本体で直接コントロールできます。
フロント・パネルの4つの入力ポートには、XLR/TSのコンボジャックが使用されており、エレキギターなどのHi-Zの楽器を直接接続して使用することができます。DIボックスなど他の機材は必要ありません。
4つの入力チャンネルはそれぞれ個別にファンタム電源のオン/オフや、Mic/Instモードの切替を行う事ができます。またそれぞれの端子の脇にあるLEDにより各チャンネルのステータスを確認することができます。
Fireface 802は従来のRMEと同様に拡張性の面でも柔軟性を発揮します。マイク・プリの追加やより多くのオーディオ入力が必要な場合は、背面の2つのADATポートにより簡単にチャンネルを拡張することができます。
AES/EBU:Fireface 802は、192kHzまで対応したProfessionalのAES/EBU I/Oを1系統搭載しています。
ADAT:2系統のADAT端子により、2台までのADAT接続のAD/DAコンバーターやエフェクター、ミキシング・コンソールなどを接続できます。それぞれのADAT I/Oは192kHz(S/MUX4)に対応しています。AES/EBUと同様に、これら16のADATチャンネルは、アナログ・チャンネルとは個別に同時に使用することができます。これら2つのADATポートをADI-8 QSのようなコンバーターと接続すれば、28chずつ(96kHz時には20ch、192kHz時には16ch)の入出力を使用することができます。
SPDIF:2つめのADATポートは、オプティカルのSPDIFとしても使用することができます。
Word Clock & MIDI:Word Clockの入出力はBNCポートとして実装され、ターミネーションを切り換えることが可能です。MIDI入出力にも対応することにより、プロフェッショナル・オーディオの現場での需要に柔軟に対応することができます。
TotalMixのミキサー機能はFireface本体のDSP上で処理されており、30chすべての入力および再生チャンネルを、同時にすべてのハードウェア出力へ、事実上無制限にミキシング/ルーティングすることができます。15の独立したステレオ・サブミックスに加えて、便利なControl Roomセクションにより、比類無きモニタ環境と柔軟なルーティングを提供します。
すべての入力チャンネルと出力チャンネルにはフルスケールのデジタル・コンソールに匹敵する充実した機能が実装されています。3-bandのパラメトリックEQ、ローカット、オートレベル、コンプレッサー、エクスパンダー、MS処理、位相反転などの効果をチャンネルごとに設定できます。
Reverb/Echoのエフェクト機能は、ステレオのsend/returnバスによりすべてのチャンネルに提供されます。これらのエフェクトは192kHzを含むすべてのサンプル・レートでご使用いただけます。
Fireface 802にはDSPが2基搭載されており、うち1つはエフェクト処理専用に使用されますので、十分なリソースを備えています。48kHz動作時には、60個のEQ、40個のローカット、8つのダイナミクとリバーブ、エコーが利用できます。
FX用のDSPには、オーバーロードの自動検出機能が搭載されており、これ以上のエフェクトを追加できなくなると、画面上にその旨が表示されます。また、より高いサンプル・レートに変換する際には、DSPの処理能力を超えるすべてのエフェクトが自動的に解除され、オーバーロードになるのを防ぎます。これによりモニター・スピーカーを破損することも防ぐことができます。
TotalMix FXのエフェクト機能はレコーディング・チェーンに柔軟性をもたらすだけでなく、CPU負荷の高いソフトウェア・エフェクトの代替としても機能します。また、スタジオ・モニタ用と、ボーカル・ブースのヘッドフォン用に別々のエフェクトをかけるなど、レコーディングの現場での需要に的確に応えることができる究極のソフトウェア・ミキサーがTotalMix FXなのです。
|