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イタリアの人気ギター工房!Bagnasco & Casati Guitars 取扱い開始!

 

Bagnasco & Casati Guitars  バグナスコ & カサッティ -

 

「Bagnasco & Casati Guitars」という世界中のヴィンテージマニアを唸らせているイタリアのギター工房をご存知でしょうか?

 

Andrea Bagnasco(写真左)とAlessio Casati(写真右)の二人によって1995年頃にスタートしたこのBagnasco & Casati Guitars工房は、ヨーロッパの名門リペアショップとして歩んだ20年以上に渡る豊富なヴィンテージギターのリペア経験を活かして、近年に戦前および戦時中のアメリカのスチール弦ギターのレプリカの製作を開始するや否や、瞬く間にウェイティングタイムが2年半〜3年という超人気工房へと成長しました。

 

彼らはこれまでの膨大な量のヴィンテージギターリペアの経験を基に、MartinとGibsonの特に1930年代〜1940年代"Pre-War期"のギター達に焦点を当て、研究し尽くされたディテールと卓越したサウンドメイク、そしてオールドグロウスのブラジリアンローズウッドなどの上質なトーンウッドを用いた本物のトーンを武器に、世界トップレベルのPre-War レプリカ・アコースティックギターを生産しています。既に最も市場の進んだアメリカのヴィンテージギターコミュニティ内では、ワールドクラスギターの仲間入りに評価されています。 

 

私が初めて彼らのギターを知ったのはまだほんの数年前。SNS上で「物凄く良い音で戦前スタイルのギターを作っているギター工房がイタリアにある!」という噂が、耳の早いギター愛好家達の中で話題になっているのを見かけて、興味本位でリンクされていた試奏動画を再生した時でした。

 

 

※その時の動画がコチラ。ギターは1932-1933 OM-28のレプリカ。

 

 

この動画を見た時は久々に衝撃を受けました。この艶やかさ。バランスの良さ。そして音量感。個人的にMartinのプリウォー期のギターを様々触ってきましたが、それらに備わっている独特のニュアンスをこのBagnasco & Casatiのギターは見事に表現していたからです。

 

私も最初は「え?イタリア?それならまだ市場的に日本の方が進んでるんじゃね?」と思っていまして、すぐに食指が動いたわけではなかったのですが。やっぱり動画って凄いです。この音の説得力には抗えませんでした。

 

それからはもう居ても立っても居られなくなり、彼らのギターの情報を集めるだけ集めてみました。その中で、アメリカの著名なFretboard Journalのベンチプレスの記事で今話題のヨーロッパの工房として取り上げられているのを見つけ、予感が確信に変わっていくような感覚でした。

 

そしてこの度、ワタナベ楽器店ではこの話題のBagnasco & Casati Guitarsの日本国内での取り扱いを開始させて頂くことになりました。

 

そこでまず、彼らがどのような人間性でどのような考えや哲学を持ってギターを製作しているのか、その辺りもこの機会に皆さんに知っていただければと思いインタビューを試みました。

 

"ギターへの情熱"というものが、どれだけ大切な才能なのかを教えてくれるような、心熱くなるやり取りでした。ぜひご覧ください。

 

 

※工房があるイタリアの港湾都市サヴォーナ

 

 

 

-Bagnasco & Casati Guitars Interview-

 

 

1)まずはじめに、あなたたち自身のことについて質問させて下さい。お二人はどのようにして出会われたんですか?また、現在のお二人の役割分担なども教えてください。

 

Bagnasco&Casati(以下B&C):私たちが初めて出会ったのは90年代の初め頃でした。互いに共通の知り合いが何人か居て、その中で自然と付き合いが始まったと言う感じです。その頃の私たちはギター演奏に熱中していて、互いに真剣に取り組んでいたので自然と一緒に演奏するようになっていきました。そして段々と演奏だけではなく、ギターという楽器の持つ全ての要素に興味を持つようになっていったんです。

 

そうして抱き始めた情熱から、私たちは最初のギター製作プロジェクトを開始したんです。それが確か93年か94年頃だったと思います。当時はインターネットがなかったので、私たちが頼ることが出来る情報は限られたごく僅かなもので、メールオーダーで手に入れた少しの専門書とごく少数の知識ある人との会話から得られるものだけでした。今思い出しても、それはそれは大変な道のりでしたね(笑) 私たちはただただ大きな情熱と努力を惜しまないという心構えを持っていただけでしたから、現在のルシアーと呼ぶに足りる知識を身につけるまでにはとても長い時間がかかりました。当時にギター製作を学ぶには、今ほど恵まれた時代ではなかったことは確かです。でもその経験が、今まで情熱が私たちと共に有った理由の一つだとも思っています。

 

現在私たちは、Alessioがギター製作のほぼ全てを手掛けていて、Andreaは販売とマーケティングに関することの管理をしています。もちろん、忙しい時はAndreaも製作を手助けしてくれますが、製作はAlessio、マーケティングがAndreaという風に分業しています。

 

 

 

 

 

2)90年代中頃には独学でギター製作を始めたということですが、その前に例えばルシアー学校に入学しようとか、誰かに弟子入りするということはなっかたのでしょうか?

 

B&C:私達はどちらもルシアースクールには行きませんでした。Alessioは木工やアンティーク家具の修復の経験があり、そのためにしっかりとした訓練を受け、高い精度の木工技術を持っていました。それ以外の、スチール弦ギターの製作に関してのことは、先程述べたようなやり方で情報を集めて、知識ある人との人脈や繋がりを増やし、後はただひたすらギターと向き合っての勉強です(笑) そして、製作したギターから得られたことから更に試行錯誤して、以前よりも最良の結果を求めて研究していく。これが私たちの学び方の全てでした。
演奏に関しては、Alessioは幼い頃にギターのレッスンを受けていました。Andreaは学生時代にピアノの正式な音楽トレーニングを受けていましたが、ギター演奏については独学です。私たちはどちらも大学に通い、Alessioは地質学を、Andreaは電気工学を学び卒業しました。

 

 

 

 

 

3)ありがとうございます。それでは、とても気になるあなたたちのギター製作についてお伺いしたいと思います。B&Cが製作するギターは、戦前と戦時中のマーティンとギブソンのスタイルを基本として、その質の高さ、音色の良さでワールドクラスギターとして本場アメリカで認められるようになっていったと聞いています。こういったプリウォー期のモデルに焦点を当てて製作することの出発点は何だったのでしょうか?

 

B&C:戦前および戦時中の、プリウォーギターとして総称されるアメリカのスチール弦ギター複製の出発点は、一言でいうとビンテージギターに対する私たちの「愛」です。私たちは二人とも当時のギターたちが持ち合わせている「音の明瞭さ」「全体の雰囲気」そして「演奏フィーリング」が大好きなんです。私たちがギターを作って販売していこうと決めた時、その動機はとても自然だったんですよ。「私たち自身がプレイしたいと思うギターだけを作ろう」という、ただただシンプルなものでしたからね。私たちは、本当にビンテージギターのオタクなんです(笑) 私たちが行っていることは「情熱によって燃料が供給されなければならないビジネス」だと捉えています。良い楽器を作るというシンプルで魅惑に満ちた道ですが、実はとても長く、急で、険しいものです。ギターに対して真摯で情熱的である以外の気持ちを抱いていたとしたら、ベンチャーを追求することはきっと不可能でしょう。

将来的には私たちは、いくつかのオリジナルのモデル(すなわち、特定のマーティンまたはギブソンモデルのレプリカではない)の製作を開始したいとは考えていますが、それらも間違いなくビンテージギターに触発されたものになると思います。

 

 

※こちらはB&Cの1942年製のギブソン サザンジャンボでパッチナンバー910と呼ばれる、激レアのローズウッドS&Bが使用されたモデルのレプリカ"Model910"

 

※B&Cで人気のマーチンスタイル。こちらはワイドネック期の000-28の精巧なレプリカモデル。

 

B&Cでは1900年代初期に伐採されたというオールドグロウス・ブラジリアンローズウッド材を選択可能。その澄んだトーンはまさにプリウォーマーチン。

 

 

4)「ビンテージギターへの愛」という言葉には、どんな論理的な理由よりも強い説得力を感じました(笑)それでは、これから日本のアコースティックギターを愛する皆さんにB&Cギターの特徴を伝えたいのですが、どのように紹介するのが適切だと思いますか?

 

B&C:私たちのギターは弾き手の演奏する喜びになるものを目指しています。B&Cギターには、明瞭なトーンと素晴らしいダイナミクスを持つために、排気量が有って大音量が出せるように洗練して製作しています。高価なプリウォー期のギターように持ち運びや管理に不安を感じる必要がなく、ビンテージギターの素晴らしい音質を届けるように心がけて製作しています。

私たちは常に20世紀の20年代後半から40年代前半にかけて最高峰を築いた、何世紀にも渡るギター製作のノウハウや伝統を生かして、私たちの技術を向上させ、洗練された実用的で堅実な楽器を製作することを探求しています。すなわち、ギター製造業が産業革命に巻き込まれる前に積み重ねていた歴史の延長にもう一度立ち戻ろうとしているんです。60年代以降のブームはギター製造数を急上昇させ、製造業としては大幅に経済を促進しましたが、職人技は間違いなく後退しましたからね。

 

 

 

 

 

 

5)なるほど。こうしてお話をさせて頂くと、あなた達がプリウォー期のギターの延長線上にあるものを製作している意図がとても自然な流れに沿っているという事に気付かされます。

あと、以前あなたたちが製作に於いてリペアからインスピレーションを受けているという記事を読みました。ジョン・グレーベンやキム・ウォーカーなど、元々はリペア出身で有名なルシアーは多いと思います。リペアと製作の関係についてはどうお考えですか?

 

B&C:リペアとギター製作の二つはどちらも「問題解決」「物事のやり方の改善」「統合」「合理化」など、多くの共通する項目に基づいているにも関わらず、実際は非常に異なるものなんです。これまで数えきれない程のビンテージギターの修理を行ってきましたが、それらの作業は所謂ビンテージギターが持つ特有の「味」を獲得する上で非常に重要な経験となったのは間違いありません。 そして、何が正しいのか、何がそうでないのか、音と感触の両方の面で素晴らしい楽器を作る為に必要な要素を沢山教えられました。 ヴィンテージギターの実践的な経験は、私たち自身の製作のために最も頼りにしている基礎だと言えます。

 

 

 

 

 

 

6)ありがとうございます。それでは、B&Cがギターを作る上で最も重要と考えていることがあれば教えて欲しいのですが?

 

B&C最も重要なことは、「最も重要なことなどない」と気付くことです。優れたギターというのは小さなディテールの積み重ねの結果であり、その全てに細心の注意が必要です。こう答えると明白過ぎてつまらないと思うかもしれませんが、実際に本当のことなんです。一本のギターを作る一つ一つの工程が一つのチャプターを開きますし、その一つ一つに「情報収集」「研究」「理解」「問題解決能力」「技量」「ビジョン」を必要とします。優れたギターデザインは重要(ギターをどのように作るのかという意味で)。材の選択ももちろん重要。クラフトマンシップも重要だし道具も技術も全て重要なんです。例えば、塗装工程は最も重要で、木工と同じくらい時間を要します。ただ、それ自体が二流のギターを一流のものに変えるわけではないんですね。本当に小さな要因のものすごい数の積み重ねなんです。そのたったひとつ(の工程)でギターが作れるわけではもちろんありませんが、そのどれも(どの工程も)がギターを台無しにする可能性も持っているんですよ、どういうわけかね。

 

 

 

 

 

7)あなた達のギターから伝わってくる凄みは、そういった全ての細かい要素の積み重ねからきているんですね。まさに「神は細部に宿る」という日本のことわざを感じます。それでは例えばですが、あなたのギターは現在2年半の待ち時間が必要です。それだけ世界中で高い評価を得ていますが、その要因は何だと思いますか?

 

B&C:私たちの見解としては、こういう風に捉えさせて貰っています。「一本のギターが一人の幸せなプレイヤーを生み、それがひとつの良い評判につながる」と。演奏体験の3要素、すなわち「音色」「フィーリング」「ルックス」、そのどれもがプレイヤーにインスピレーションを与えます。プレイヤーとしての経験から、私たちは時々限界を超えて演奏を可能にするような印象を与えてくれるギターに偶然出会う事があるのを知っています。そういうギターは本当に素晴らしく、そのギターから得られたインスピレーションは私たちにベストの状態をもたらしてくれますし、容易にそして楽しみながらプレイヤーとしての限界を超えることも可能にしてくれるんです。私たち自身がそういう経験をしてきましたし、少なくとも全てのプレイヤーは遅かれ早かれそれを経験する機会を持つことを私たちは望んでいます。私たちは一本一本そういうタイプのギターを作りたいと心から願い、日々作業に取り組んでいます。それは全てのプレイヤーが望むことで、ギター演奏を本当に有益な経験にし得ることでもあるのです。

 

 

 

8)沢山の質問に快く答えて頂きありがとうございました。このやり取りだけでも、あなた達の人柄や、ギターへの向き合い方がすごく伝わってきました。それでは最後に、日本のギター愛好家の皆さんに一言お願いします!

 

B&C:日本のギター愛好家の皆さん全員に伝えたい事ですが、まずはこの文章を読んで下さっていること、私たちのギターに注目して頂いていることに感謝します。お世辞でもなんでもなく、私たちはいつも日本の美しい国と文化に魅了されてきました。日本での取り扱いは本当に喜ばしい事です。私たちはアメリカのスチール弦ギターへの同じ情熱を共有しているので、たとえ私たちが世界の反対側に住んでいても、このギターという共通の言語と興味は私たちを結び付けてくれると信じています。音楽は国際的な言語ですが、真のギターオタクにとってはギター自体が、それに勝るとも劣らない国際的な言語です!私たちは皆さんとやり取り出来ることを楽しみにしており、一緒に素晴らしい体験ができることを心より願っています。

 

 

 

 

 

長文お付き合い頂きありがとうございました!

 

今回ギターを取り扱うにあたって、やはりルシアー物はギターの向こう側いる作り手が見えて欲しいと思い、このようなご紹介をさせて頂きました。

 

私自身、このやり取りを経てギターを取り扱わせて貰っているこの仕事に必要な情熱という燃料を彼らに補充してもらったような気持ちになりました。それだけ、真摯にギターと向き合う彼らの姿勢は素晴らしく、共感する部分が多かったです。

 

サウンドとその仕上がりは世界でも一級品の評価を受けているB&Cですが、日本の耳の肥えたお客様にどのように受け入れて頂けるのか、私自身非常に興味があり、とても楽しみにしています。

 

是非、店頭で手にとって体感してみてください。

 

 

担当:村主(すぐり)
075-231-2778

suguri@watanabe-mi.com
 

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Bagnasco & Casati Guitars ( バグナスコ&カサッティ ) Model 910 "1942 Southern Jumbo East Indian Rosewood" Reprica    
Bagnasco & Casati Guitars ( バグナスコ&カサッティ )
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