管楽器-Q 低価格帯、海外製の管楽器をご購入の方へのご注意

低価格帯、及び海外製の管楽器を御購入の方へのご注意

管楽器はゴールドやシルバーなど外観の美しさも魅力のひとつです。
しかしながら、細かくよく見ると、細かい点の仕上げにおいては各社、また個体でバラつきがございます。

〜仕入れルートについて〜
楽器はかなり細かいパーツが組み合わさって形成されていますが、そのパーツの１つ１つまで加工、メッキされて最終的に楽器のかたちになってメーカーを経由し弊社へ納品されます。
ブランドそのものの会社と、それを輸入する卸商社などを総合して「メーカー」といいますが、自社ブランドと輸入品を並行して扱っているところも多いです。

当店のような販売店からお客様へ商品をお届けするまでの流れはおおよそ以下のような感じになります。

▼国内ブランド例
・.国内工場で製造→メーカーで検品→販売店→お客様(例：ヤマハの日本製の製品など)
・海外に自社工場を持ち製造→メーカーで検品→販売店→お客様(例：ヤマハの日本製以外の商品、Jマイケルなど)
・海外の工場に製造を委託→メーカーで検品→販売店→お客様(例：AZUMIフルートなど)

▼海外ブランドの例
・海外のブランド会社→代理店契約した輸入卸商社などで検品→販売店→お客様
・海外のブランド会社→直接買いつけ(直輸入)したメーカー→販売店→お客様
・海外のブランド会社→直接買いつけ(直輸入)した販売店→お客様

一流ブランドでも代理店契約をして仕入れされているものが正規品になります。
代理店というのはその言葉通り、輸入卸商社などとそのブランドの会社が契約を交わし、そのブランドの代理として認められて日本の販売を許されたということです。

代理店はそのブランドの品質を維持し、何かあれば対応し情報を提供してくれる安全な取引先となります。

弊社では国内に代理店が存在している製品において、基本的にはそちらを経由して仕入れおりますのでご安心下さい。

〜製品精度について〜

上記の通り、様々な状況下で弊社へ入荷する商品ですが、お客様へお届けする商品の状態の基準はメーカーの定める基準となります。
楽器は演奏するもので、演奏を目的としてつくられていますが、対象となる奏者、コンセプト、さらには価格帯からその基準は異なります。
国内のブランドは比較的外観は綺麗な印象を受けます。比較し、海外製はつくりが粗い傾向にあります。
日本と海外ではやはり、価値観の違い、物づくりの精神の違い、技術力の違いがあります。また人件費、コストも違います。
自社ブランドと代理店を経由して販売されている製品では、様々な面で対応が異なってきます。
例えば、メーカー検品時点でキズが多数あったとします。自社ブランドであれば直接に工場に言って手直しが可能かもしれません。
しかしながら、代理店をしているブランドや海外に工場がある場合は同じようにはいきません。
代理店であれば、契約している関係性がもつれる可能性もありますし、手直しさせてもうまく意図が伝わらなかったり、感覚の違いによって改善されなかったりすることもあると思います。
上記のような背景があり、かかるコスト、販売価格を考慮し、その商品の基準が定まっていきます。
同じ価格帯だから同じではありませんし、高いから完璧でもありませんし、そこはブランド、メーカーなどによってそれぞれ違うものです。

〜具体的な事例〜

金額基準としてヤマハより安い低価格帯は特に以下のような状態が見受けられますが、メーカーの基準にて検品を通過した商品となります。
メーカー直送品以外の当店在庫品は当社技術スタッフができる限り調整のうえ出荷対応しています。ただし楽器において限界はございます。また見た目においてはどうしようもありません。

▼木管楽器(フルート、クラリネット、アルトサックス等)

・楽器の特性として鳴らしにくい音がより顕著にならしにくい(低音/高音など)
・部分的にならしにくい音がある
・表面の研磨キズが多い
・管体表面に細かいキズが多い
・メッキが粗い
・半田の痕が綺麗でない
・タンポ(パッド)が合っていないことが多い
・調整ネジが緩みやすい(使用につれ楽器の部品の連動が崩れやすい)
・本来必要のないアソビ(隙間のようなもの)があったり、機能するために必要となるアソビがない
・キイに必要となる開きが雑
・キイノイズが気になる時がある(部品の違い)
・フルートジョイント部など金属同士の摺り合わせの嵌合状態が良くない
・マウスピースを変えるときにコルクの調整が必要となる(主にクラリネット。個体差によっての違いで)
・キイの形が変形していたりする
・端面の処理がつるつるではない
・バネの力が楽器に合った測定ではない
・酸漏れしていることがある(バフ掛けの時の研磨剤がしっかりと落ちていなくて、その上に塗装することにより起きる)
・シャフト、ネジが必要以上にが緩んでいることがある(見た目を考慮してあえて)
・ベル縁の巻き方が均等でない(サックス)
・組み立ての際に硬かったりする
・外観からみえずらいところに汚れのようなものがあったりする

▼金管楽器(トランペット、トロンボーン、ユーフォニアム等)

・表面の研磨キズが多い
・メッキが粗い
・溶接部分の半田の処理が綺麗でない
・ピストンやロータリーの動きが悪い
・ピストンガイドの状態が良くない
・キャップの動きが良くない(固着まではいかないが、スルスルと動かない)
・抜差し管の動作が悪い(クリアランスが大きい/抜差し管内管表面に傷がある/汚れ/ずれによるもの)
・錆びのようなものが希にある
・スライドの動きが悪い(トロンボーン 平行度がずれいている/汚れ/表面の傷/円の形状が微妙に外管の円の形状と合っていないなどによるもの)
・細かいパーツの形が変形していたりする
・酸漏れしていることがある(バフ掛けの時の研磨剤がしっかりと落ちていなくて、その上に塗装することにより起きる)
・キイの形が変形していたりする
・端面の処理がつるつるではない
・外観からみえずらいところに汚れのようなものがあったりする