ヤマハ YEP-621S 初心者 ユーフォニアムの定番！

ヤマハ YEP-621S 初心者 ユーフォニアムの定番！

初心者ユーフォニアムのラインナップの中で圧倒的な人気を誇るYEP-621Sの魅力に迫ります。

●ユーフォニアムの魅力
楽器の中でも新しく歴史が浅い楽器です。扱いやすい設計で大きさも大きすぎず、でも低音をカバーする存在。中低音の音域は柔らかい音が特徴です。伴奏だけではなく、主旋律もこなすマルチな楽器。ブリティッシュスタイルの金管バンドから、吹奏楽サウンドまで幅広く吹ける表現力。

●ユーフォニアムを選ぶポイント
＊指の操作性
YEP-621Sは1〜3番ピストンがトップアクション+4番ピストンがサイドアクションです。 とりあえず安いユーフォニアムを選べばピストンは3ピストンになるでしょう。 ピストンが1つ少ないことによって一部出ない低音域ができてしまいます。 つまり、大型楽器であるユーフォニアムにとってピストンの数は操作性と音程の安定には欠かせない存在。 また、4ピストンであっても、人の指では4番ピストンの配置によって操作性に違いが出るのは必然。 ピストンが全て横並びに上向きについているものは右手の小指操作が必要になりますので早い曲は演奏しづらくなってしまいます。 この4番ピストンを横に配置したYEP-621Sは4番ピストンを左手の人差し指で操作するため早いパッセージでも操作しやすくなるということになります。 　

＊カラー
YEP-621Sは銀メッキ仕様です。つまり銀色。 楽器によってゴールドカラー、シルバーカラーある程度傾向があるのは、その楽器の音質や求められる楽曲での存在位置にあると思います。 ユーフォニアムは圧倒的に銀メッキが人気です。 塗装の違いによって価格、音に違いが出ますので、これもまた安いものを買おうとすると必然ゴールドカラー(ラッカー仕上げ)を選ぶことになると思います。 見た目は好みでしかありませんが、見た目だけで即決してしまうのはいざ自分が求める表現が難しくなってしまう可能性がありますので吟味が必要になります。 簡単に言うとラッカーは明るめの音色、銀メッキは柔らかな音色になると言われます。これだけではありませんが、 ユーフォニアムは楽器自体が大きく中低音域を任せられる楽器で、その楽曲の傾向からもパリっとしたはっきり主張するような立ち位置ではなく楽曲に溶け込むような深く柔らかな音色が好まれます。 ですのでそういう求められる音、求める音色を出すための楽器として、それに適するということを考えると銀メッキになるというわけです。

＜操作性とカラーで見るラインナップの特徴＞
YEP-201...3ピストン、ゴールドカラー
YEP-321...横並び4ピストン、ゴールドカラー
YEP-321S...横並び4ピストン、銀メッキ
YEP-621S...横並び3ピストン+4番サイドアクション、銀メッキ

＊サイズ
YEP-621Sは高さ664mm ベルサイズ280mm 基本的な大きさは他モデルとそこまで変化はありませんが、ベルの大きさについては他の太管モデルより少し小さめでハンドレスト、ホールド性も良く、自然な形で演奏でき扱いやすいと思います。

＊仕上げのきれいさ
これはこのユーフォニアムに限ったことではありませんが、とりあえずヤマハの管楽器は表面がツルツルぴかぴかという印象。 もちろん研磨キズやちょっとした部分で何かしらも問題が全くないということではありません。 これはあくまでもヤマハ以外の他ブランドとヤマハを比較してのことですので、ヤマハの「その楽器だけ」を見たお客様側とは少し視点が違うと思います。 精度の良さは音色にも影響するものではありますが、楽器の良さは見た目だけではありませんので外観はただの１つの比較ポイントに過ぎません。 しかしながら素人目にも一番わかりやすく判断できるのが見た目ですよね。 ただ例えヤマハよりも高い楽器やブランドであっても外観の仕上げがヤマハに劣るというのはよくあること。 海外製品はつくりが少々粗くそれは個人、また日本人の感覚の違いやその国の社会的背景や歴史にも少なからず影響はあると思います。ステージパフォーマンスはさておき、楽器は演奏するもので使えばキズなどはできますので、音や音楽をきかせるものとして評価すべきところは決して見た目だけではないのです。 外観も含めこれらの評価はある意味世界の基準よりもヤマハが飛び抜けているからなのかもしれませんね。

以下の画像はただの一例であり個体差があります。

＊音の良さ
音が良いとされる楽器は音量の幅が広く、音質の幅が広い楽器と言われています。つまり、小さい音から大きい音まで、柔らかな音から力強い音まで出るということです。 それが叶わない楽器は例えば小さく柔らかい音がでなかったり、大きい音を出すと音が割れてしまったりと思うような音色を出せないという結果になってしまいます。 音質や吹奏感は塗装の違いなどにもよりますので一概には言えませんが、最初の問題として、まずは楽器の精度が一定の基準に達しているかどうかです。 管楽器は残念ながら見た目だけでは楽器の精度は判断できません。ここで言う「見た目」とは先程上の項目であげました「仕上げのきれいさ」ではなく、楽器に使用されている素材やパーツ、楽器の組み立て、楽器の規格の話です。 この「楽器の良さ」はある程度価格に比例します。ヤマハは管楽器の基準として昔からその楽器の品質と信頼の地位を築いてきました。 乱暴な言い方をすると「該当の楽器」でヤマハ管楽器の一番売れているモデルがその楽器の相場価格となり、それより安い楽器は何かの妥協点があり、それより高いものはそれ相応の何かがプラスされた楽器の可能性を持つというイメージでしょうか。 このYEP-621Sよりもコンペ(※ピッチの項目参考)などの機能性を持つのにヤマハより安い楽器がありますよね。その機能を追加すれば高くなるはずのものが付いているのに安いというのは別の何かがYEP-621Sとは違うと考えられます。 安くて良いものがあればそれに越したことはありませんが、やはり高いことには理由があると思います。全く同じもので安いものがあれば誰もがそれを買い、高いものは売れませんよね。つまり高くても売れるということには理由があるということです。 ある程度の基準を超えるとそこからはより個性的は楽器になっていく傾向がありますので、高いものが誰にとっても良いということではありませんが、まずは楽器の価格相場、基準を理解して楽器を選んでください。 また、分からないからヤマハを選ぶという方も多いです。その選択肢も間違いではないと思います。長く信頼性がある楽器としてヤマハが選ばれてきたということが何よりの結果であり、無難に良いものを手に入れるには手っ取り早いかもしれません。

＜ピストンの数とシャンクサイズで見るラインナップの特徴＞
YEP-201...3ピストン=明るく抵抗感のすくない軽い音
YEP-321、YEP-321S...4ピストンの細管=少ない息の量で抵抗感の少ない明るめで軽い音
YEP-621S...4ピストンの太管=太く、響きのある豊かな音

＊音程(ピッチ)の良さ
ユーフォニアムと言えばピッチの問題は大きいです。わかりやすく言うと普通に吹くとちょっと音痴な感じ。それを調整しながら演奏する必要があり、それは奏者が吹き方を変えることと楽器側を対応できる楽器にすることで改善されます。 楽器側がそういった機能性を持ち備えていないもので演奏する場合、練習あるのみ...。 ただまだまだ上には上があり、残念ながらYEP-621Sは4番ピストンを使用したCやH等の音についてはピッチが高くなる傾向にあります。 これを楽器側でどうにかするには「コンペセイティング付き」「トリガー付き」の楽器を選ぶしかありません。

★コンペセイティング機能について★
ピストンの構造によって大型楽器はとくに第4ピストンを使うと音程が全体的に高くなってしまう傾向にありますがこれを補正してくれるのがコンペンセイティングシステムで自動補正バルブ方式。 通常の楽器にはない迂回管を追加し管の長さを長くして音程が高くならないようにしています。 ヤマハではYEP-642S、YEP-842Sに搭載されており価格相場としては70万〜100万相場の価格に搭載されているということになります。 中高生の吹奏楽で考えるとここまでの価格は一般家庭では高額になりすぎるところもあって、YEP-621Sが定番となる背景もあると思います。

※YEP-621Sにはついていません。

★トリガー機能について★

第3抜差管についていることが多く一部の音の音程が高くなっているときにこのトリガーを押すと、主管抜差管が抜け管の全長が長くなるので音程を低くでき演奏中でも音程調整がしやすくなります。ヤマハでは特別生産品であるYEP-642ST、YEP-842TSなどについています。

※YEP-621Sにはついていません。