ナベ通ドラム トルコツアー_Agop

3日目！
いよいよ最後のメーカー「Istanbul Agop」です。

少し大きなバスに乗り込み(乗り心地が良かった！)、バスに揺られること約30分ほど・・・
バスを降りたその先に聳え立つのがこちら！！



すごい！いわゆるオフィスという感じです！
これまでの2社とはだいぶ違った雰囲気の佇まいです。

中に入ると
社長の愛犬マシャが出迎えてくれました。
とても人懐っこくお利口さんでした。


入り口入ってすぐの所にはたくさんの絵が飾られていました。
Agopアーティストかつ絵を描いている方の作品だそうです。

横にはAgopの歴史がわかる写真が飾られていました。
こちらは1940年代の写真だそうです。

こちらは93年頃の写真だそう。現工場になる前の場所？だそうで96年Istanbul Agopさんが亡くなった後に別の場所に移動したそうです。




エルビンジョーンズが実際に使ってたシンバルを見せていただきました。とても貴重。

こちらはIstanbul Agopさんの名前が入ったシンバルです。
まだ会社が立ち上がる前の時代のもので、完全に1人で作っていたそう。
かなり希少価値の高いシンバルです。

世界に400枚くらいしかないうちの1枚がAgop社のオフィスでで保管されていました。



一通りオフィス内を案内いただき、いよいよ工場見学です。

【メルティング】
なんと撮影禁止！


ガラス張りの見学ブースのような所から見させていただきました。
なんだかここ数日の自由に見れる感じに慣れていたので逆にびっくりしちゃいました。


Agopの釜は約1,200度だそうです。
Mehmet、Bosphorusではメルティング直後のまだ金属が熱されて赤い状態でローラーの工程をしておりましたが、Agopではすぐにローラーしないそうです。

48時間冷やしたのち、再度温めてローラーの工程へ行くそうです。
48時間置くことに関しては、金属の分子が動くから48時間冷ますことによって分子を安定させる意味があるのだそう。
メーカーによって拘りや工程が少しづづ違うのは非常に面白ですね。


ここで驚いたのは溶かした金属を流し込む機会も、回転台も自動でした。
また、職人さんがヘルメットを被っていたり、訪問客は中に入れなかったりと安全面にも配慮している印象でした。
なんだか少し新鮮に感じてしまいました笑
（でもヘルメットを被った職人さんはやっぱり半袖Tシャツでした）

同じトルコのシンバル工場でもこんなにも違いがあるのだと思いました。


こちらは昔使用していた機械。
メルティングの部屋から移行の工程の部屋へ向かう道中に置いてありました。

48時間置いて安定した物をもう一度温めてローラーの工程です。

750度の釜で温めるそうです。
Agopは加熱にガスと電気両方使ってるんだそうです。

シリーズなどにより約8回〜10回ローラーの工程を施します。

その後更に加熱して、水に入れます。

水に入れないとガラスみたいに脆くすぐに割れてしまうのですが、その過程を実際に見せてくれました。
こちらが水につける前の状態。

こんなにも簡単に割れてしまいます。
これではハンマリングはできません。




↑こちらが水に入れた後

水につけることでシンバルらしいしなりが生まれ、割れない素材になるんです。

ここからハンマリングを行います。
現状でも個体差があるため、その個体差をできるだけ少なく、かつ特定のシリーズを作り出すのは正に職人技。
完成を目指し1枚1枚違う作業をするんだそうです。1枚のシンバルが出来上がるまでに約6000〜7000回叩くんだそうです。



【ハンマリング体験】
なんと今回私達にハンマリング体験をさせてくれました！

やってみた感想は、、、
左手がめちゃくちゃ重要！
ハンマーを持っている右手はそのまま叩き続けて、左手を動かすんだそう。
しっかりシンバルを押さえておかないとハマーの重りに負けてシンバルがブレてしまうんです。
動かしつつしっかり抑えるのが難しかったです。
今回20回ぐらい叩かせてもらったのですが、これを1枚につき6000回、そんなシンバルを1日で何枚も作ると思うととんでもない作業だなと感じました。

初めてのハンマリング楽しかったです。




こちらはスタンプの工程。
微調整しながら徐々に整えていきます。
整ったらスタンプを押していきます。



こちらはレーザーで彫刻です。

一通りの工場見学を経て社長と記念撮影。

とても優しく気さくな方でした。

お昼はAgopオフィス内でいただきました。
Agopのスタッフのお宅で先日赤ちゃんが生まれたとのことで、その時のお祝いの飲み物を振る舞ってくれました。
ランチ中もマシャはおとなしかったです。

これはトルコで大人気のスイーツ「バクラバ」
甘いパイを仕上げにガムシロップに漬けたみたいな感じの甘いスイーツ。
トルコ人はとても甘党なんだそう◎



午後からは選定です。
3社の中でも非常に広いストックルームでした。
シンバルが一望できるストックルームは圧巻でした。

それぞれシンバルスタンドを貸していただき一斉に選定スタートです。

協力的なAgopスタッフにカナリ手厚いサポートをしていただき無事に選定できました。

選定後ストックルームの端で現地写真撮影をしていたのですが、写真撮影もAgopスタッフが手伝ってくれました。



選定が終わるとなんとAgopからとても嬉しい贈り物が・・・
先程ハンマリング体験したシンバルがこんなに素敵な額縁に入って帰ってきました！
(ハンマリング職人の手によって綺麗に仕上げが施されていましたw)
最後にAgop社長と記念撮影。

こちらの額縁もAgopシンバルと一緒に店内に展示させていただきます。



今回選定していたシンバルはこちら