キイオイルで木管楽器のキイの動作不良、キイノイズを防止しよう!
■キイオイルの必要性
木管楽器にはキイと呼ぼれるパーツがたくさんついており、そのパーツを閉じたり、開いたりすることで音程を変えることができます。
キイの動きが悪いと、木管パートのあるあるでもある連符、速いテンポの連符の演奏もスムーズにいきません。
細かいパーツは楽器の運搬や演奏による振動などで少しづつ状態が変わっていきますので定期メンテナンスが必要と言われます。
またサビが発生することもあります。目に見えない極小のサビであってもキイの動作不良に繋がる場合があります。
金属同士擦れて、すり減ってしまえば、キイにガタつきがでてしまい、しっかりと音孔を塞げなくなってしまうことも...ここまでなってしまうと演奏にも支障がありますよね。
故障までいかなくとも、日々の劣化を食い止め、楽器のメンテナンスが必要になるまでの期間を少しでも伸ばし、楽器の良い状態が続くようキイオイルは重要なアイテムなのです。
■キイオイルの働き
*動作をスムーズに
潤滑油の役割をしてくれるのでキイの動きが滑らかになります。
*金属面の保護
金属と金属の間に薄いオイルの膜ができ、金属同士が直接触れあわず、摩耗が少なくなります。また水気や空気からも金属を守ることができ、腐食、錆を防ぐことができます。
*キイノイズ防止
キイオイルをささないと、キイを動かしたときに直接金属が擦れあうため、キイを動かす度カチャカチャ鳴ってしまいます。
奏者だけが気になる程度だけだと思われるかもしれませんが、意外とノイズも響いて演奏も聞き苦しくなってしまうことも...
■ヤマハキイオイルの種類
タイプによって粘度が異なるので楽器にあった正しいものを使うようにしましょう。
*キイオイルL(ライト)...粘度が低く、ピッコロ、フルート、オーボエへの使用が適しています。
*キイオイルM(ミディアム)...粘度は中程度で、クラリネットへの使用が適しています。
*キイオイルH(ヘビー)...粘度が高く、サックス、ファゴット、バスクラリネットなどへの使用が適しています。
■キイオイルのさし方
1.ホコリなどを除去し、楽器を綺麗にします。
ホコリ等が付着しているとオイルを指した箇所にホコリが付着し、これが原因で動作不良を起こしてしまうことがあります。
古いオイルの残りなども一旦きれいに拭き取りましょう。拭き取る際にクロスの繊維などがつかないようにご注意下さい。
綿棒や別売のトーンホールクリーナー等を使うとキイ周辺の入り組んだ箇所も綺麗にしやすいです。
2.キイの動く部分にキイオイルを少量さします。(画像参照)
オイルは必ず適量で。つけすぎてもトラブルに繋がる場合がありますので、つけすぎないように注意して下さい。
別売のキイオイル類に使えるノズル「ON」をつけた状態でキイオイルをさすと、さすべき箇所を狙いやすく、量も調節しやすいのでおすすめ。
3.キイを動かし、オイルを馴染ませます。
管体についたオイル、またオイルがはみ出ている場合は拭き取りましょう。
オイルがはみでているとホコリを集めてしまいやすく、動作不良に繋がります。
キイの部分のオイルは別売のクリーニングペーパー等で拭き取るとホコリもつきにくくておすすめ。
■キイオイルのさす頻度
キイオイルをさす頻度は基本的に1ヶ月に1度程度で構いませんが、手に汗をかくタイプの方は2週間に1度程度キイオイルをさすようにしましょう。
キイオイルをさすのが面倒に感じることもあり、またキイオイルをささないことで目に見える状態変化があまりないので問題ないと感じられるかもしれませんがキイオイルをささないことで最終的には大きな修理に発展してしまい、修理金額も高く...といった事態になってしまうこともあるかもしれません。
管楽器はとても繊細。また楽器の今の状態が果たしてどのような状態なのか技術者以外はなかなか判断が難しいです。正しい知識で正しいお手入れができるように心がけましょう。