◇ マイクロフォンを使いこなそう！指向性編

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■ 指向特性

マイクロホンには、特定の方向から来る音だけをよく収音できるように設計されているものがあります。
こうした性質が指向特性で、音が到来する方向に対する感度の変化を指します。

マイクロホンの最も感度が高い方向（収音軸）を基準（0゜、0dB）として、周囲360゜を円形のグラフに表します。
指向特性は周波数によっても変化しますが、大きく以下のように分類できます。

※上記はSM58の指向特性です。

■ 指向特性図

		単一指向性
	無指向性	カーディオイド	スーパー カーディオイド	ハイパー カーディオイド	双指向性
特性パターン
カバー角度	360°	131°	115°	105°	90°
感度が最も低い方向	--	180°	126°	110°	90°
背面方向の減衰量	0dB	25dB	12dB	6dB	0dB

※カバー角度などの数値はSHUREマイクロフォンを参考としています。

指向特性の説明

《 指向特性 》

音が到達する方向あるいは角度に対するマイクロフォンの感度。
マイクロフォンの設計上、指向特性には様々に異なるパターンがあります。

マイクロフォンの基本的は指向特性の型は3パターン
無指向性(全指向性) ・ 単一指向性 ・ 双指向性

無指向性 :（全指向性）どの方向からも同じ感度で収音するもの。

無指向性のマイクロフォンはどの角度からでも同じ感度で収音します。
カバー角度は全方向360度。環境音など収音に適しています。
ライブサウンド(生演奏)で無指向性のマイクロフォンを使用する場合、
音源の近くに設置し、直接音と間接音をバランスよく収音してください。
無指向性マイクはハウリングの原因となるPAスピーカーのような不必要な音源から狙いを外しません。

単一指向性 : 一つの方向からの感度が特に高いもの。

カーディオイド、スーパーカーディオイド、ハイパーカーディオイドに大きく分けることができます。

カーディオイド　　　　　　　　　　　　　　　　　　　スーパーカーディオイド

単一指向性のマイクはある一方からの音に対して感度よく収音。
他の方向には感度が低く設定されています。

もっとも一般的なカーディオイドは有効角度(カバー角度)を約130度程度
に設定。マイクロフォン正面からは65度ほどの範囲です。
無指向性と比べると約1/3の環境音しか収音しません。

単一指向性は不必要な音や環境音などはずして収音してくれるので
ドラムセットの近くにおかれたギターアンプの収音(ギターアンプの収音にドラム音が混じり合うのを防ぐ)ような場合にも有効です。

さらに単一指向性にはスーパー&ハイパーの2バリエーションがあります。

カーディオイド : 正面の収音角度 約130度 背面軸外 約180度
スーパーカーディオイド : 正面の収音角度 約115度 背面軸外 約126度
ハイパーカーディオイド : 正面の収音角度 約105度 背面軸外 約110度

双指向性 : 正面と背面、二方向からの感度が特に高いもの。

双指向性は0度(正面)180度(背面)の両方で感度が最高となります。
90度(側面)の出力は最低となります。
カバー角度または収音角度は、正面・背面ともに約90度となります。

歌のデュエットのような向かい合う2つの音源の収音に使用も可能です。

■ 近接効果とは

指向性のあるマイクロホンを音源に近づける（約30cm以内）と、低音域が強調される現象のこと。
口元で収音するボーカル用などのマイクロホンは、近接効果で強調される低音域を抑えられる
周波数特性に予め設計されています。
低音域を抑えるフィルタを内蔵し、スイッチで切り替えられるマイクロホンもあります。

■ 環境音の除去

無指向性のマイクロフォンに比べると単一指向性のマイクロフォンは軸外
からの音に対する感度が低い為、周囲や舞台全体からの音は少なくなります。
単一指向性のマイクロフォンは環境雑音を制御してよりきれいなミックス音を得るのに便利です。

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