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Gibsonファクトリーツアー訪問記-2025-
アメリカンギターを代表するトップブランド「GIBSON(ギブソン)」
Orville Henry Gibson(オービル・ヘンリー・ギブソン)氏が1894年にミシガン州カラマズーでマンドリン製作を始めたことにその歴史は始まります。1969年にはNorlin社に買収されギブソンギターの製造の中心はカラマズーからテネシー州ナッシュビルへと順次移転する訳ですが、ナッシュビルは湿度が高くアコースティックギター向けの大量の木材をストックしておく事に向いた土地ではありませんでした。
マーフィーラボも始動し勢いに乗っているモンタナ工場へ、アコースティックギター担当の三谷が視察&買い付けに行ってきました!
モンタナ工場を目指して・・・
いざ、モンタナファクトリーへ!
モンタナ工場は日産で122本のギターを生産、ギブソンアコースティックの製作を一手に行う一大生産拠点です。
ギブソンフリークの方はご存知かもしれませんが、ギブソンアコースティックにはギブソンたらしめる為の4つのこだわりポイントがあります。ファクトリーツアー中、プロダクト・スペシャリストのドン氏から一連の製造工程を解説いただく中でこのポイントは特に口酸っぱく(言い方…)教えていただきました!ココを押さえればギブソン通を名乗れますよ。
・ドームドトップ&バック
・ニカワ接着によるダブテイルジョイント
・ラッカー塗装
・ハンドメイド仕上げ
・ドームドトップ トップ材とバック板をわずかにラウンド(ドーム状に曲線をもたせる)させることで弾いた瞬間にトップ板がバウンドするかのように振動させるねらいがあります。トップ板は28インチ、バック板は14インチのラジアスの規定に沿って曲げられます。また、ブレーシングをスキャロップ(円弧上に削った形状)させているのもトップ板振動の増幅に一役買っています。この構造は全てのギブソンアコースティックに共通している為、モデル毎のおおまかな違いは使用する木材や装飾で分けられます。
・ニカワ接着によるダブテイルジョイント 古くから動物性の天然接着剤として使われてきたニカワ(ハイドグルー)。近年は扱いやすいタイトボンドが主流ですがニカワは木材の導管まで染み込むことで木材同士を強く接着できるため、ネックジョイントに使用することでネックまで弦振動が伝わりやすく鳴りが良いのがメリットです。ダブテイルジョイントはアコースティックギターでよく採用されるボディとネックと接合構造で凹凸がぴったりと合うように手削りされ差し込まれます。ギターの音色を決める重要な部分であり、熟練のスタッフが任される工程です。
・ラッカー塗装 今や高級ギターの条件の一つともいえるニトロセルロースラッカーを使用した昔ながらの塗装。こちらも近年のポリ塗装に比べ塗膜が薄く、塗装の難易度が高く経年変化しやすいデリケートさを持ちますが、振動を妨げない為ボディ鳴りを直に感じられます。クレーンで等間隔に吊られたギター達が工場内をぐるぐる巡って塗装を乾燥させます。全長は約1マイル、1.6kmほど。長…いですね!塗装ブースに流れ込んでくるギターたちを熟練のスタッフが1本ずつ、塗装していきます。サンバーストの具体が1本1本違うのもスタッフ手ずから塗っているからなんですね。スタンダードなモデルは塗膜が9層になっています。7層塗った後、2~3日乾燥させてから2層塗り上げて完成です。
・ハンドメイド仕上げ ギブソンのこだわりの中でも特に力説されていた部分です。CNCルーターによる木材カットやロボットアームでのサンディング(ボディの研磨)以外はとにかく人の手で製作することが何より重要だと語るのはプロダクト・マネージャーのドンさん。「だからこそギブソンのギターには1本1本個性が宿るんだ。誰しも必ずぴったりくるギブソンが見つかるはず。だから是非それを探し出してほしい。」皆さんも是非店頭へ足を運んで弾いてみてくださいね。ギブソンのサウンドイメージもあり工場内はフランクな雰囲気かなと思っていましたが、作業中のワーカーは黙々と作業されており後述の標語にある通り「世界一のギターを作っている」という気概を感じました。
アコースティックの構造に詳しい方なら「あれ?そんな特別なことなくない…?」と感じられる方もおられるかもしれません。そもそもギブソンはマーチンと並んでギターを代表する歴史あるメーカー。今日のアコースティックギターの礎を築いてきたその設計はギター造りの基礎として揺るぎないものへと昇華されています。それでも数々のミュージシャンから愛され続けるギブソンギターには言い表せない特別な魅力があります。それはやはり人の手から生み出されるが故の楽器を愛し音楽を楽しむ心が詰まっているからかもしれません。
「このドアを通る者は世界"最高"のギタービルダーである」
生産ラインへ向かう廊下にあった標語。ギブソン社が言うと重みがありますね…。BESTだけ大文字なんですよ、ここがアツい。
そして!工場視察の翌日には今回のツアーの本題、 モンタナファクトリー初!木材選定会!!今回は恒例の完成品買付とは別に、なんとギブソン社のアコースティックギター出張では初となる「カスタムオーダーモデルの木材選定」が実施されました!!ここからは選定の様子と買い付け品を紹介いたします!
木材選定(ウッドピック)カスタムオーダー品
Doves In Flight Custom Blister Maple Magenta Burst 28羽のダヴ(鳩)インレイが埋め込まれたがDove In Flightをベースに通常のナチュラルカラーから紫色のマゼンタバーストカラーに変更。ちょうどピックガードにインレイを入れている工程を見学できたのですがインレイ職人のジョーンズさんが工具で一つずつ丁寧に仕上げており、非常に手間のかかったギブソンの技術が詰まりまくったモデルです。
【サイド&バックをブリスターメイプルに変更】 通常仕様のフレイムメイプルに代わってフレイム杢やキルト杢とはまた違った表情の杢目をもつメイプル材を選定、この泡立ったような杢目は「ブリスターメイプル」と呼称されます。フレイムやキルトと同じく生育環境による年輪の成長パターンの変化によるもので用意されたストックの中でもいちばん泡立ち(?)の良かった材をゲット‼選定材としてもあまり見かけることのないレアな杢目、かなりスペシャルな1本になりそうで今から楽しみです‼
【Magenta Burstカラー】 こちらは以前入荷したマゼンタバーストのSJ-200。上品な紫色で高級感たっぷりです。
トップ材:シトカスプルース
ブレイシング材:スプルース / トラディショナル・ハンドスキャロップドXブレーシング
サイド&バック材:ブリスターメイプル(選定材)
指板:エボニー
ブリッジ駒:エボニー
ネック材:3ピースメイプル
ネック形状:Round(40mmナット幅)
ペグ:Grover with engraved Keystone
カラー:Magenta Burst
2026年春以降入荷予定
Hummingbird Custom Cocobolo Black Top
こちらもピックガードだけでなくヘッド、指板インレイ、ブリッジにまでハチドリをあつらえた最高級のハミングバード、Humminbird Custom Koaをベースに選定した木材を使ったスペシャルモデルに! 【サイド&バックをコアからココボロに変更】 このサイド&バックに使用する材には中米原産の高級木材、個性的な杢目が人気のココボロを選定してきました。敢えてサップ無しのシブめなチョイス。通常のハミングバードでは出せない濃密な低音とスクエアショルダーのガツンとしたボディ鳴りとの合わせ技が楽しみです‼ローズウッド寄りのサウンドを持つココボロはギブソンのカスタムオーダーとしても珍しく希少な1本になること間違い無しです!
【トップ板のカラーをブラックに変更】 通常はナチュラルカラーとなっているトップをブラックに変更。高級感ありつつも精悍なイメージでオーダーしました。
トップ材:シトカスプルース
ブレイシング材:スプルース / トラディショナル・ハンドスキャロップドXブレーシング
サイド&バック材:ココボロ(選定材)
指板:エボニー
ブリッジ駒:エボニー
ネック材:3ピースメイプル
ネック形状:Round(43.8mmナット幅)
ペグ:Grover with engraved Kidney Knobs
カラー:Black Top / Natural Side&Back
2026年春以降入荷予定
続いては完成品の買い付けです!
天井に届きそうな高さまで整然と並べられた倉庫を抜ければ…
お待ちかねの買い付けタイムです!通常品から1本モノのカスタム品まで60本ほど用意されたギター達からこれぞ!というものを厳選してお迎えしてきました!
Hummingbird Ultima Autumn Burst
トップにはフレイム杢のメイプル材、キルト杢のメイプル材をバックに使用しツタ模様のゴージャスなインレイが施されたハミングバード。見てください、この息を呑むような美しさ。 最高級グレードにふさわしい、きめ細やかで芸術的な杢目。裏返した瞬間、バックのキルト杢を見て「これにしよう!」と決断した1本です。この杢に惹かれたのはもちろんですが、サウンドもばっちり。低域から高域までバランスの取れた分離感の良い音色が心地よいです! SJ-200 Standard Birdseye Wildfire
この個体の注目ポイントは何といってもカラー名の「Wildfire(ワイルドファイア)」。その名の通り、荒れ狂う炎のような情熱的で深みのあるサンバーストが、希少なバーズアイ・メイプルの杢目をより一層際立たせています。さり気なく(?)ネックもトラ杢になっているのもポイント高し。キング・オブ・フラットトップの風格に、バーズアイ・メイプルの唯一無二なルックス。シブさ満点の私のイチ推しです!サウンドも豪快でサウンドホールからゴンッと飛び出してくる低音が最大の魅力。メイプルボディとは思えない重厚さ、しかもメイプルの立ち上がりの良さも健在なんです。Emのアルペジオとか似合います。でもやっぱり固めのピックでガツンと鳴らすのが一番気持ちいい!弾いていると強気になれるというか、ホントにワイルドな気分になってきます。 J-185 Original
J-200よりも一回り小ぶりなサイズ感で、抜群の抱え心地とレスポンスの良さを誇るJ-185。今回買い付けたこの個体は、非常にバランスが良く、繊細なピッキングからダイナミックなストロークまで、弾き手の感情をストレートに表現してくれます。国内入荷も意外と少なく探されていた方も多いはず。現地の空気感を纏った最高の1本を、ぜひその手で確かめてください! J-45 STANDARD / Purple Burst
ギブソンの伝統に新たな息吹を吹き込む、新色「Purple Burst」。カタログへのラインナップが決まったばかりの最新カラーですが、その「色の深み」に惹かれて買い付けました!光の当たり方で表情を変える高貴な紫。現地に並んだ他の新色と比べても、ひときわミステリアスかつありそうで無かったカラー。私もスタンダード買うにしてもなんか違う感じが欲しいタイプ(笑)ヴィンテージサンバーストじゃ没個性すぎる!というトガッたアナタにおすすめです!こちらは大阪店にて販売しております。 Hummingbird Standard / Purple Burst
ハミングバードの優雅なフォルムを、さらに艶やかに彩る「Purple Burst」。気に入りすぎてハミングバードでも買い付けてしまいました!新色も当然、塗装ブースで手塗りになるわけですからバースト具合が微妙に変わってきます。ストックの中から、最高に美しいグラデーションの一本を厳選しました。ルックスの妖艶さに負けず、サウンドも非常にリッチ。カタログモデルでありながら、現地で「これだ!」という個体に出会えるのは買付の醍醐味。新色を最高のクオリティで手に入れたい方に是非!こちらも大阪店にて展示しております!
最後に、ファクトリーで見かけた色々
これにてファクトリーツアーの全工程が終了‼皆さんお疲れ様でした!最終日の食事会にてギブソン社の長老的存在のロビ・ジョン氏からギブソンアコースティックスペシャリストとしての認定書を授与いただきました!ちなみにロビ氏の好きなバンドは「YES」だそうです。
さよなら、ボーズマン
そんなわけで初めてのモンタナ工場、貴重な経験と知識が得られた大充実な時間でした!帰国後の時差ボケした体に味噌汁が染みわたります…。
当店では京都では唯一のギブソン社正規ディーラーとして、店頭では常に各種人気モデルをフルラインナップしております。
ギブソンアコースティックギターをお探しのお客様は、ぜひ一度店頭までご来店ください。
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